Vリーグ女子2020-2021シーズン 優勝はJTマーヴェラス、準優勝は全勝だった東レアローズ
スポーツ(バレー)更新日:2021/03/08
今期はコロナの影響と、延期されたオリンピックの影響で
いつもよりシーズンは短め、さらに中止の試合もあり、途中からルールが変わる(試合数が合わないためポイント制から勝率に変更)などバタバタしたシーズンでしたが、
最後まで終えることができてありがたい限りでした。
今季もとても楽しませてもらいました。
【最終順位】
優勝:JT マーヴェラス
準優勝:東レアローズ
3位:NEC レッドロケッツ
4位:デンソーエアリービーズ
5位:埼玉上尾メディックス
6位:岡山シーガルズ
7位:日立リヴァーレ
8位:久光スプリングス
9位:PFU ブルーキャッツ
10位:ヴィクトリーナ姫路
11位:トヨタ車体クインシーズ
12位:KUROBE アクアフェアリーズ
【個人賞】
優勝監督賞:吉原 知子(JTマーヴェラス)2年連続2回目
最高殊勲選手賞(MVP):小幡 真子(JTマーヴェラス)初受賞
敢闘賞:黒後 愛(東レアローズ)初受賞
得点王:クラン ヤナ(東レアローズ)2年ぶり2回目
スパイク賞:島村 春世(NECレッドロケッツ)初受賞
ブロック賞:荒木 絵里香(トヨタ車体クインシーズ)3年ぶり8回目
アキンラデウォ フォルケ(久光スプリングス)2年ぶり2回目
サーブ賞:山内 美咲(NECレッドロケッツ) 初受賞
サーブレシーブ賞:小幡 真子(JTマーヴェラス)初受賞
レシーブ賞:林 琴奈(JTマーヴェラス)初受賞
ベスト6: クラン ヤナ(東レアローズ)2年ぶり2回目
ドルーズ アンドレア(JTマーヴェラス)2年連続2回目
古賀 紗理那(NECレッドロケッツ)4年ぶり2回目
島村 春世(NECレッドロケッツ) 6年ぶり2回目
アキンラデウォ フォルケ(久光スプリングス)2年ぶり3回目
関 菜々巳(東レアローズ)2年ぶり2回目
ベストリベロ賞:小幡 真子(JTマーヴェラス)4年連続4回目
最優秀新人賞:横田 真未(デンソーエアリービーズ)
フェアプレー賞:田中 瑞稀(JTマーヴェラス)初受賞
優秀GM賞:西尾 博樹(プレステージ・インターナショナルアランマーレ ※V2女子)初受賞
松平康隆賞:吉原 知子(JTマーヴェラス)2年連続2回目
今季の優勝候補は、JTマーヴェラスか東レアローズ。
序盤から感じていたイメージのままにレギュラーシーズンを終えた印象でした。
今年の東レアローズは、とにかく攻撃力が安定していました。
メンバーを見ても、このまま次世代日本代表だろうという選手が集まっています。
おそらくオリンピックの主力選手になるであろう黒後選手、石川選手、そしてクラン選手の決定力があるサイド3人に加え、
セッターは2年前の新人賞、去年は代表に選出された関選手、
リベロはU20の初優勝、今年代表に選出された水杉選手。
そして安定感のあるミドルの選手がいる東レアローズ。
去年とメンバーは変わらないのですが、去年はワールドカップ前からの負傷のため序盤出られなかった黒後選手の影響と
今年に入って安定感の増した石川選手の影響が大きかったんじゃないかと思います。
攻撃力がある分守備力はJTに比べて劣るか?と思いきや、思った以上に繋ぎ部分も安定してることが多かったですね。
JTマーヴェラスは去年の優勝チームで、去年からほぼメンバー変わらず。
絶対的な決定力のあるアメリカの代表選手、ドルーズ選手の攻撃力は全く変わらず、
日本代表のリベロ、小幡選手の安定感に加え、
レフトの二人、田中選手と林選手は、身長は大きくはないのですが守備力と上手い攻撃力、安定感。
去年の新人シーズンから正セッターを務めて、今年代表に選ばれた籾井選手。
代表のミドル芥川選手。
なによりJTの強みは、控え選手の強さがあります。
2枚替えで活躍する橘井選手や、守備固めで起用が多い目黒選手、レフトに攻撃力が欲しい時に起用されるヒックマン選手。
また、最後の方に活躍したタイのタットダオ選手がすごく良かった印象でした。
東レは全勝、JTはNECレッドロケッツに負けるなど、「今期は東レが有利かな?」と思わせる展開の中、
シーズン中にあった「天皇杯・皇后杯」の決勝でこの2チームが対決、結果JTが優勝しました。
なんとなく、「東レは全勝、でも皇后杯はJTが勝ったなあ…」という印象がぬぐえないまま、決勝戦。
結果はJTマーヴェラスの2連覇でした。
圧倒的な強さの東レアローズ、
決勝という重要な試合に強かったJTマーヴェラス、という印象でした。
ちなみに…
チーム別でみるレギュラーシーズンの順位です。
アタック決定率(バックアタック含む)
1 東レアローズ
2 JTマーヴェラス
3 NECレッドロケッツ
サーブ効果率
1 日立リヴァーレ
2 東レアローズ
3 JTマーヴェラス
サーブレシーブ成功率
1 JTマーヴェラス
2 デンソーエアリービーズ
3 東レアローズ
ブロック決定本数(1セットあたり)
1 久光スプリングス
2 日立リヴァーレ
3 JTマーヴェラス
4 東レアローズ
という、数字で見てもどっちが勝ってもおかしくなかったシーズンでしたね。
レギュラーラウンド勝敗:16勝4敗
上でほぼ書いてしまいましたが、代表の小幡選手、林選手、芥川選手に加えて今年選出されたセッターの籾井選手。
個人的に、代表にメンバーに遜色ないと思ってるJTマーヴェラスの中心選手、田中瑞稀選手。
そして絶対的エースドルーズアンドレア選手。
シーズン通してほぼ落ちない、ダメな試合がほとんどない、本当に素晴らしい選手ですね。
そこに控えで安定している橘井選手と目黒選手に加えて、攻撃力のあるヒックマン選手。
また、今期はミドルの芥川選手の対角を結構変えていて、タットダオ選手、榊原選手が活躍していましたね。
このチームはしばらく安定した強さになるのかなーと思います。
1点だけ、始まったVカップを見ると、籾井選手が代表で抜けたため、控えのセッターを橘井選手がやっているところ。
セッターはもう一人欲しいんだろうなと思います。
レギュラーラウンド勝敗:21勝0敗
間違いなく今後日本代表の中心になるであろう、黒後選手、石川選手、水杉選手、関選手。
そこに加えて攻撃力と高さのあるクラン選手。
ミドルに大野選手、井上選手の安定感に小川選手が加わって、スタメンは全員が安定しているイメージです。
こちらも若い選手が多くてしばらくは強いまま安定するのかな、と思います。
ただ、控えがJTに比べるとそこまでの活躍を見ていなかった気がするので、怪我やコンディション不良が怖いなあという印象です。
そう言う意味では代表が抜けるVカップが楽しみです。
レギュラーラウンド勝敗:15勝5敗
今期は何といっても古賀選手が爆発してましたね。
去年まではエースでありチームの中心選手であったのは間違いないですが、決めきれずに苦しんでいた印象ですが、
今期は前でも後ろでも決め、守備力ももちろんいい、サーブもブロックもいい、という、ああ、古賀選手が戻ってきた…という気持ちになりました。
バックアタックの速さと強さ、フロントでの決定力、コース打ち、速い攻撃。どれをとっても素晴らしかったです。
個人的に今季のMVPは古賀選手でした。
そこに加えて去年怪我から復帰した島村選手に、U20で優勝して、代表に選出された山田選手。
トヨタ車体から移籍してきたネリマン選手。
ライトにはこちらもU20の優勝選手である、曽我選手入って本当に見ごたえのあるシーズンでした。
個人的にはセッターの澤田選手とリベロの小島選手が全体を支えた印象があります。
そして何気に控えも層が厚い印象です。
サーブ賞を取った山内選手、ミドルの上野選手、最後の試合に活躍した廣瀬選手、今期そこまで出番はなかったですが、柳田選手もいます。
ただ、全体的に守備力のある選手が少ないので、NECレッドロケッツの怖いところは古賀選手が抜けたときの守備力かな、と思います。
レギュラーラウンド勝敗:12勝7敗
去年から代表のセッター田代選手、リベロ井上選手、ミドル奥村選手が加わり一気に優勝候補のチームになったデンソー。
そこに代表選手の鍋谷選手、去年代表に選出された東谷選手や工藤選手などの若手が安定して活躍した印象です。
2年連続の4位になりました。
今期は新人賞になったミドルの横田選手の活躍が印象的でした。
また、控えのセッターとして内定選手の松井選手が起用されていました。
去年までは決定力のあるミドルのシニアード選手がいて、今期はミドルではなくアウトサイドにプラマー選手が入りました。
最初見ていて「シニアード選手のほうが良かったのでは?」という印象だったのですが、チームに馴染むごとにめちゃくちゃ活躍しましたね、プラマー選手…
疲れてるように見えるのに攻撃力が衰えない。無理やり打ってミスするような雑さがない。
とてもいい選手でした。
気になるのは、2021年東京オリンピックが終わった後、田代選手、井上選手、奥村選手がどういう動きをするのか、というところです。
この3選手が入ってデンソーは一気に上位チームになったので、その3選手の行方は気になるところです。
レギュラーラウンド勝敗:12勝8敗
序盤苦しんだ上尾ですが、終盤すごく調子を上げてきましたね。
最初は「どうした上尾!?」って思ったんですけど、最終順位は5位。安定して上位付近にいる印象です。
今期は、セッター冨永選手の出産のための離脱に加え、第2セッターであり、冨永選手が海外に行っていた1年間正セッターを務めた井上選手が久光スプリングに移籍ということで、
「正セッター不在」というのが一番きつかったのではないかと思います。
そんな中山崎選手と、9人制バレーからレンタル移籍の田川選手がなんとか終盤までに合わせて着た印象があります。
リベロに去年まで代表に入っていた山岸選手、去年から代表の吉野選手に加えて、
今年はベテランの内瀬戸選手が加わって、ここは特に守備の安定感が増しましたね。
加えていつも通りのサンティアゴ選手、今年加入したジョセフ選手。
そしてなんといっても監督がアントニオ マルコス レルバッキさんに変わり、コミュニケーションの面でも大変だったんだろうなと思わされました。
暑い監督で、時折審判から警告が出ていて、はらはらさせられましたね…
控えの佐藤選手や堀江選手もいい活躍をした印象です。
レギュラーラウンド勝敗:11勝10敗
去年準優勝の岡山シーガルズ。今年はちょっと苦しみましたね。
特に去年引退した佐々木萌選手の穴を誰が埋めるか、というところが大きな課題だったと思います。
シーズン前は吉岡選手、古川選手、西村選手の名前が挙がっていましたが、そこに加えて後半は内定選手の中本選手が入っていましたね。
今期は去年の対策としてエースの金田選手、オポジットの渡邊選手への対応されていて、ここが決まらない、加えて吉岡選手の決定力が下がっている、というときに本当に苦しい場面が多かった気がします。
古川選手が入ると攻撃力は上がりますが、守備がどうしても薄くなる、そこに西村選手や船田選手がカバーしながら入ってきていますが、
最後までリベロも楢崎選手、丸山選手、西村選手、船田選手で固まり切らなかった印象でした。
岡山は一発で決めるというよりも繋いで粘って1点を取り切るというチームなので、守備力が落ちると「らしさ」がなくなってしまうように思います。
来季のリベロ、レシーバー、レフトがどういう形になるのか楽しみです。
佐々木選手、去年はそこまで好調なシーズンではなかったように思いましたが、守備を含めて本当に安定した選手だったんだなぁと思い知らされました。
ただ、その分若い選手が活躍したシーズンでもあったので、
中本選手や古川選手はもちろん、ミドルの付選手やセッター小野寺選手、ミドルの長瀬選手など、今後が楽しみです。
特に去年からですが、ライト渡邊選手の控えがいないというのが見ていてハラハラするところです。
レギュラーラウンド勝敗:6勝15敗
今期は正セッターであり代表の佐藤選手が怪我のため序盤少しだけ出て、途中からは完全に離脱したため、苦しいシーズンだったように思いました。
途中から佐藤選手はコーチとしてベンチ入り。結局最後まで試合に出られず、代表の事もあるので、怪我の具合が気になるところです。
加えて窪田選手も途中から怪我で出られず、代表の長内選手も控えに回ることが多かったですね。
その分、新人セッターの雑賀選手が序盤チームを引っ張り、後半は小野寺選手、そして控えに境選手という3人のセッターがそれぞれ役割を果たしていたように思います。
また、窪田選手の位置に新人の野中選手が、レフトにはオクム大庭選手が、
ミドルは入澤選手とタップ選手が入り、
序盤の試合を見てると下位4チームに入るかと思いましたが踏みとどまりましたね。
特に最後の久光スプリングスとの試合、上坂選手が爆発して打ったら全部決まる!くらいの勢いで、7位で終わりました。
日立は今期はサーブ効果率全チーム1位、ブロックも上位なので、来季はもっと上に行くのでは?と思ってます。
個人的に内定が決まった室岡選手の活躍を期待します。
レギュラーラウンド勝敗:10勝11敗
アキンラデヴォ選手の復帰に、長岡選手の怪我からの復帰。そして埼玉上尾メディックスからセッター井上選手の獲得。
新鍋選手の引退は痛いところでしたが、プラスの要素も多かったのでどうなるかな?と思ったのですが、結果的には8位という結果でした。
最後までセッターを決めきれなかったこと(井上選手が中心ではあったのですが、途中ベンチ外になったり、正セッター井上選手でも、控えのセッターがころころ変わるなどなんとなく決めきれない印象がありました)が
安定しなかった大きな要因なのかなと思います。
井上選手がブロードをあまり上げたことがなかった(埼玉上尾にはサンティアゴ選手がいましたが、AとBが中心)ということもあり、
なかなかアキンラデヴォ選手と合わせるのに時間がかかったというのもセッターが決めきれなかった原因でもあったのかなと思います(アキンラデヴォ選手との相性だけならやはり経験のある栄選手のほうが合っていたように思います)
後半はライトに井上選手を固定したのが良かった要素でもありますが、そのあとレフトを決めきれなかったというのもあって全体的にメンバーが固定しきれなかった印象でした。
そんな中で、アキンラデヴォ選手の対角が岩坂選手、濱松選手、荒木選手が競っていた印象で、そんな中で序盤の濱松選手、後半の荒木選手の活躍は今後の久光スプリングスのプラスになるだろうなと思います。
やっぱりどうしても新鍋選手の穴が最後まで埋められなかった印象です。
中盤はそんな中守備力のある石井選手も出番が少なく、守備的中川選手の起用もなく(ライトは井上選手をほぼ固定)
守備面が苦しかったんじゃないかなという印象でした。
来季はどうなるか、どう動くか、楽しみです。
レギュラーラウンド勝敗:4勝13敗
今季はPFU、KUROBE、姫路がすごく良かったシーズンでした。
昨年まではこの3チームと他のチームの壁は厚かったように思いますが、今期はどのチームも上位チームを倒しているのでお陰で最後まで順位が読めなくて面白いシーズンでした。
PFUは特に2レグのデンソー戦が素晴らしかった。
まさかのストレート勝利。間違いなくベストな1試合でした。
特に全体的にサーブで攻めるところ、高相選手とアコスタ選手の決定力、繋ぎと粘りが2年前と比べると別チームでした。
序盤苦しんだところがあって順位的には9位でしたが、来期は上に行けるのでは、と思わされるシーズンでした。
レギュラーラウンド勝敗:4勝17敗
V1、2年目とは思えないシーズンでしたね。
特に年明けの久光スプリングスの勝利、あと一歩だったデンソー戦から、岡山戦の勝利、そしてトヨタ車体戦のフルセット勝利。
序盤から貞包選手と、対角に入った新人ながら安定していた松本選手の活躍があり、
後半はアリョーナ選手が起用されず、田中選手が入るようになって、そこから空気が変わったように思います。
またミドルの両選手。NECから移籍した荒谷選手と、新人の佐々木選手が素晴らしかった。
慎重はなくとも機動力と器用さ、うまさがある両選手は苦しい試合を変えるプレイが多かったように思いました。
姫路もPFUと同じく、来期以降上位に組み込む可能性は十分にあると思わされるシーズンでした。
レギュラーラウンド勝敗:6勝15敗
今期は本当に…どうしてこんなに、と思うほど苦しいシーズンだったと思います。
おそらく荒木選手の最後のシーズン。
内瀬戸選手が上尾に、ネリマン選手がNECに移籍した上、なかなかセッターが固定されない中、
どうにか序盤下部のチームに勝ってきたり、NECレッドロケッツにストレート勝利するなど光が見えそうになっては
欲試合にKUROBEにストレート負けするなど、どうにも乗り切れなかった印象でした。
そんな中、この結果でもブロック賞を取った荒木選手、ほんととんでもない選手だなと思います…
最初にも書きましたが、再度ここにも書きます。
荒木選手のブロック賞、3年ぶり8回目です。素晴らしい。
レギュラーラウンド勝敗:4勝16敗
結果は12位という残念なところではありましたが、途中トヨタ車体や久光スプリングスに勝ったり、
決して悪いシーズンではなかったように思います。
それだけ下位チームが今季すごく良かったということなんでしょう。
正直序盤の調子を見てるとKUROBEだけ上位に食い込むのでは、と思うほどでした。
特にリベロの立石選手、すごくいい選手だと思います。
リー選手はもちろん、両サイドの間橋選手と舛田選手が乗ってるときは勝ち切れる力があるチームだと思うので、来季期待しています。
2020年のオリンピックが延期され、2021年の代表メンバーが決定しましたね。
この話は別の記事で書きます。
また、Vリーグが終わったあとすぐにVカップという、2グループに分けて1試合対戦し、上位4チームで優勝を決める「Vカップ」という試合が始まっています。
代表選手は3月からは合宿のため出場しないので、Vリーグで見れなかった若手選手の活躍が見れる試合で、こちらも楽しみです。
いつもよりシーズンは短め、さらに中止の試合もあり、途中からルールが変わる(試合数が合わないためポイント制から勝率に変更)などバタバタしたシーズンでしたが、
最後まで終えることができてありがたい限りでした。
今季もとても楽しませてもらいました。
2020-2021シーズン 結果と各賞
【最終順位】
優勝:JT マーヴェラス
準優勝:東レアローズ
3位:NEC レッドロケッツ
4位:デンソーエアリービーズ
5位:埼玉上尾メディックス
6位:岡山シーガルズ
7位:日立リヴァーレ
8位:久光スプリングス
9位:PFU ブルーキャッツ
10位:ヴィクトリーナ姫路
11位:トヨタ車体クインシーズ
12位:KUROBE アクアフェアリーズ
【個人賞】
優勝監督賞:吉原 知子(JTマーヴェラス)2年連続2回目
最高殊勲選手賞(MVP):小幡 真子(JTマーヴェラス)初受賞
敢闘賞:黒後 愛(東レアローズ)初受賞
得点王:クラン ヤナ(東レアローズ)2年ぶり2回目
スパイク賞:島村 春世(NECレッドロケッツ)初受賞
ブロック賞:荒木 絵里香(トヨタ車体クインシーズ)3年ぶり8回目
アキンラデウォ フォルケ(久光スプリングス)2年ぶり2回目
サーブ賞:山内 美咲(NECレッドロケッツ) 初受賞
サーブレシーブ賞:小幡 真子(JTマーヴェラス)初受賞
レシーブ賞:林 琴奈(JTマーヴェラス)初受賞
ベスト6: クラン ヤナ(東レアローズ)2年ぶり2回目
ドルーズ アンドレア(JTマーヴェラス)2年連続2回目
古賀 紗理那(NECレッドロケッツ)4年ぶり2回目
島村 春世(NECレッドロケッツ) 6年ぶり2回目
アキンラデウォ フォルケ(久光スプリングス)2年ぶり3回目
関 菜々巳(東レアローズ)2年ぶり2回目
ベストリベロ賞:小幡 真子(JTマーヴェラス)4年連続4回目
最優秀新人賞:横田 真未(デンソーエアリービーズ)
フェアプレー賞:田中 瑞稀(JTマーヴェラス)初受賞
優秀GM賞:西尾 博樹(プレステージ・インターナショナルアランマーレ ※V2女子)初受賞
松平康隆賞:吉原 知子(JTマーヴェラス)2年連続2回目
2連覇のJTマーヴェラス、決勝まで全勝していた東レアローズ
今季の優勝候補は、JTマーヴェラスか東レアローズ。
序盤から感じていたイメージのままにレギュラーシーズンを終えた印象でした。
今年の東レアローズは、とにかく攻撃力が安定していました。
メンバーを見ても、このまま次世代日本代表だろうという選手が集まっています。
おそらくオリンピックの主力選手になるであろう黒後選手、石川選手、そしてクラン選手の決定力があるサイド3人に加え、
セッターは2年前の新人賞、去年は代表に選出された関選手、
リベロはU20の初優勝、今年代表に選出された水杉選手。
そして安定感のあるミドルの選手がいる東レアローズ。
去年とメンバーは変わらないのですが、去年はワールドカップ前からの負傷のため序盤出られなかった黒後選手の影響と
今年に入って安定感の増した石川選手の影響が大きかったんじゃないかと思います。
攻撃力がある分守備力はJTに比べて劣るか?と思いきや、思った以上に繋ぎ部分も安定してることが多かったですね。
JTマーヴェラスは去年の優勝チームで、去年からほぼメンバー変わらず。
絶対的な決定力のあるアメリカの代表選手、ドルーズ選手の攻撃力は全く変わらず、
日本代表のリベロ、小幡選手の安定感に加え、
レフトの二人、田中選手と林選手は、身長は大きくはないのですが守備力と上手い攻撃力、安定感。
去年の新人シーズンから正セッターを務めて、今年代表に選ばれた籾井選手。
代表のミドル芥川選手。
なによりJTの強みは、控え選手の強さがあります。
2枚替えで活躍する橘井選手や、守備固めで起用が多い目黒選手、レフトに攻撃力が欲しい時に起用されるヒックマン選手。
また、最後の方に活躍したタイのタットダオ選手がすごく良かった印象でした。
東レは全勝、JTはNECレッドロケッツに負けるなど、「今期は東レが有利かな?」と思わせる展開の中、
シーズン中にあった「天皇杯・皇后杯」の決勝でこの2チームが対決、結果JTが優勝しました。
なんとなく、「東レは全勝、でも皇后杯はJTが勝ったなあ…」という印象がぬぐえないまま、決勝戦。
結果はJTマーヴェラスの2連覇でした。
圧倒的な強さの東レアローズ、
決勝という重要な試合に強かったJTマーヴェラス、という印象でした。
ちなみに…
チーム別でみるレギュラーシーズンの順位です。
アタック決定率(バックアタック含む)
1 東レアローズ
2 JTマーヴェラス
3 NECレッドロケッツ
サーブ効果率
1 日立リヴァーレ
2 東レアローズ
3 JTマーヴェラス
サーブレシーブ成功率
1 JTマーヴェラス
2 デンソーエアリービーズ
3 東レアローズ
ブロック決定本数(1セットあたり)
1 久光スプリングス
2 日立リヴァーレ
3 JTマーヴェラス
4 東レアローズ
という、数字で見てもどっちが勝ってもおかしくなかったシーズンでしたね。
チーム別見どころ・今期感想
【優勝:JTマーヴェラス】
レギュラーラウンド勝敗:16勝4敗
上でほぼ書いてしまいましたが、代表の小幡選手、林選手、芥川選手に加えて今年選出されたセッターの籾井選手。
個人的に、代表にメンバーに遜色ないと思ってるJTマーヴェラスの中心選手、田中瑞稀選手。
そして絶対的エースドルーズアンドレア選手。
シーズン通してほぼ落ちない、ダメな試合がほとんどない、本当に素晴らしい選手ですね。
そこに控えで安定している橘井選手と目黒選手に加えて、攻撃力のあるヒックマン選手。
また、今期はミドルの芥川選手の対角を結構変えていて、タットダオ選手、榊原選手が活躍していましたね。
このチームはしばらく安定した強さになるのかなーと思います。
1点だけ、始まったVカップを見ると、籾井選手が代表で抜けたため、控えのセッターを橘井選手がやっているところ。
セッターはもう一人欲しいんだろうなと思います。
【準優勝:東レアローズ】
レギュラーラウンド勝敗:21勝0敗
間違いなく今後日本代表の中心になるであろう、黒後選手、石川選手、水杉選手、関選手。
そこに加えて攻撃力と高さのあるクラン選手。
ミドルに大野選手、井上選手の安定感に小川選手が加わって、スタメンは全員が安定しているイメージです。
こちらも若い選手が多くてしばらくは強いまま安定するのかな、と思います。
ただ、控えがJTに比べるとそこまでの活躍を見ていなかった気がするので、怪我やコンディション不良が怖いなあという印象です。
そう言う意味では代表が抜けるVカップが楽しみです。
【3位:NECレッドロケッツ】
レギュラーラウンド勝敗:15勝5敗
今期は何といっても古賀選手が爆発してましたね。
去年まではエースでありチームの中心選手であったのは間違いないですが、決めきれずに苦しんでいた印象ですが、
今期は前でも後ろでも決め、守備力ももちろんいい、サーブもブロックもいい、という、ああ、古賀選手が戻ってきた…という気持ちになりました。
バックアタックの速さと強さ、フロントでの決定力、コース打ち、速い攻撃。どれをとっても素晴らしかったです。
個人的に今季のMVPは古賀選手でした。
そこに加えて去年怪我から復帰した島村選手に、U20で優勝して、代表に選出された山田選手。
トヨタ車体から移籍してきたネリマン選手。
ライトにはこちらもU20の優勝選手である、曽我選手入って本当に見ごたえのあるシーズンでした。
個人的にはセッターの澤田選手とリベロの小島選手が全体を支えた印象があります。
そして何気に控えも層が厚い印象です。
サーブ賞を取った山内選手、ミドルの上野選手、最後の試合に活躍した廣瀬選手、今期そこまで出番はなかったですが、柳田選手もいます。
ただ、全体的に守備力のある選手が少ないので、NECレッドロケッツの怖いところは古賀選手が抜けたときの守備力かな、と思います。
【4位:デンソーエアリービーズ】
レギュラーラウンド勝敗:12勝7敗
去年から代表のセッター田代選手、リベロ井上選手、ミドル奥村選手が加わり一気に優勝候補のチームになったデンソー。
そこに代表選手の鍋谷選手、去年代表に選出された東谷選手や工藤選手などの若手が安定して活躍した印象です。
2年連続の4位になりました。
今期は新人賞になったミドルの横田選手の活躍が印象的でした。
また、控えのセッターとして内定選手の松井選手が起用されていました。
去年までは決定力のあるミドルのシニアード選手がいて、今期はミドルではなくアウトサイドにプラマー選手が入りました。
最初見ていて「シニアード選手のほうが良かったのでは?」という印象だったのですが、チームに馴染むごとにめちゃくちゃ活躍しましたね、プラマー選手…
疲れてるように見えるのに攻撃力が衰えない。無理やり打ってミスするような雑さがない。
とてもいい選手でした。
気になるのは、2021年東京オリンピックが終わった後、田代選手、井上選手、奥村選手がどういう動きをするのか、というところです。
この3選手が入ってデンソーは一気に上位チームになったので、その3選手の行方は気になるところです。
【5位:上尾メディックス】
レギュラーラウンド勝敗:12勝8敗
序盤苦しんだ上尾ですが、終盤すごく調子を上げてきましたね。
最初は「どうした上尾!?」って思ったんですけど、最終順位は5位。安定して上位付近にいる印象です。
今期は、セッター冨永選手の出産のための離脱に加え、第2セッターであり、冨永選手が海外に行っていた1年間正セッターを務めた井上選手が久光スプリングに移籍ということで、
「正セッター不在」というのが一番きつかったのではないかと思います。
そんな中山崎選手と、9人制バレーからレンタル移籍の田川選手がなんとか終盤までに合わせて着た印象があります。
リベロに去年まで代表に入っていた山岸選手、去年から代表の吉野選手に加えて、
今年はベテランの内瀬戸選手が加わって、ここは特に守備の安定感が増しましたね。
加えていつも通りのサンティアゴ選手、今年加入したジョセフ選手。
そしてなんといっても監督がアントニオ マルコス レルバッキさんに変わり、コミュニケーションの面でも大変だったんだろうなと思わされました。
暑い監督で、時折審判から警告が出ていて、はらはらさせられましたね…
控えの佐藤選手や堀江選手もいい活躍をした印象です。
【6位:岡山シーガルズ】
レギュラーラウンド勝敗:11勝10敗
去年準優勝の岡山シーガルズ。今年はちょっと苦しみましたね。
特に去年引退した佐々木萌選手の穴を誰が埋めるか、というところが大きな課題だったと思います。
シーズン前は吉岡選手、古川選手、西村選手の名前が挙がっていましたが、そこに加えて後半は内定選手の中本選手が入っていましたね。
今期は去年の対策としてエースの金田選手、オポジットの渡邊選手への対応されていて、ここが決まらない、加えて吉岡選手の決定力が下がっている、というときに本当に苦しい場面が多かった気がします。
古川選手が入ると攻撃力は上がりますが、守備がどうしても薄くなる、そこに西村選手や船田選手がカバーしながら入ってきていますが、
最後までリベロも楢崎選手、丸山選手、西村選手、船田選手で固まり切らなかった印象でした。
岡山は一発で決めるというよりも繋いで粘って1点を取り切るというチームなので、守備力が落ちると「らしさ」がなくなってしまうように思います。
来季のリベロ、レシーバー、レフトがどういう形になるのか楽しみです。
佐々木選手、去年はそこまで好調なシーズンではなかったように思いましたが、守備を含めて本当に安定した選手だったんだなぁと思い知らされました。
ただ、その分若い選手が活躍したシーズンでもあったので、
中本選手や古川選手はもちろん、ミドルの付選手やセッター小野寺選手、ミドルの長瀬選手など、今後が楽しみです。
特に去年からですが、ライト渡邊選手の控えがいないというのが見ていてハラハラするところです。
【7位:日立リヴァーレ】
レギュラーラウンド勝敗:6勝15敗
今期は正セッターであり代表の佐藤選手が怪我のため序盤少しだけ出て、途中からは完全に離脱したため、苦しいシーズンだったように思いました。
途中から佐藤選手はコーチとしてベンチ入り。結局最後まで試合に出られず、代表の事もあるので、怪我の具合が気になるところです。
加えて窪田選手も途中から怪我で出られず、代表の長内選手も控えに回ることが多かったですね。
その分、新人セッターの雑賀選手が序盤チームを引っ張り、後半は小野寺選手、そして控えに境選手という3人のセッターがそれぞれ役割を果たしていたように思います。
また、窪田選手の位置に新人の野中選手が、レフトにはオクム大庭選手が、
ミドルは入澤選手とタップ選手が入り、
序盤の試合を見てると下位4チームに入るかと思いましたが踏みとどまりましたね。
特に最後の久光スプリングスとの試合、上坂選手が爆発して打ったら全部決まる!くらいの勢いで、7位で終わりました。
日立は今期はサーブ効果率全チーム1位、ブロックも上位なので、来季はもっと上に行くのでは?と思ってます。
個人的に内定が決まった室岡選手の活躍を期待します。
【8位:久光スプリングス】
レギュラーラウンド勝敗:10勝11敗
アキンラデヴォ選手の復帰に、長岡選手の怪我からの復帰。そして埼玉上尾メディックスからセッター井上選手の獲得。
新鍋選手の引退は痛いところでしたが、プラスの要素も多かったのでどうなるかな?と思ったのですが、結果的には8位という結果でした。
最後までセッターを決めきれなかったこと(井上選手が中心ではあったのですが、途中ベンチ外になったり、正セッター井上選手でも、控えのセッターがころころ変わるなどなんとなく決めきれない印象がありました)が
安定しなかった大きな要因なのかなと思います。
井上選手がブロードをあまり上げたことがなかった(埼玉上尾にはサンティアゴ選手がいましたが、AとBが中心)ということもあり、
なかなかアキンラデヴォ選手と合わせるのに時間がかかったというのもセッターが決めきれなかった原因でもあったのかなと思います(アキンラデヴォ選手との相性だけならやはり経験のある栄選手のほうが合っていたように思います)
後半はライトに井上選手を固定したのが良かった要素でもありますが、そのあとレフトを決めきれなかったというのもあって全体的にメンバーが固定しきれなかった印象でした。
そんな中で、アキンラデヴォ選手の対角が岩坂選手、濱松選手、荒木選手が競っていた印象で、そんな中で序盤の濱松選手、後半の荒木選手の活躍は今後の久光スプリングスのプラスになるだろうなと思います。
やっぱりどうしても新鍋選手の穴が最後まで埋められなかった印象です。
中盤はそんな中守備力のある石井選手も出番が少なく、守備的中川選手の起用もなく(ライトは井上選手をほぼ固定)
守備面が苦しかったんじゃないかなという印象でした。
来季はどうなるか、どう動くか、楽しみです。
【9位:PFU ブルーキャッツ】
レギュラーラウンド勝敗:4勝13敗
今季はPFU、KUROBE、姫路がすごく良かったシーズンでした。
昨年まではこの3チームと他のチームの壁は厚かったように思いますが、今期はどのチームも上位チームを倒しているのでお陰で最後まで順位が読めなくて面白いシーズンでした。
PFUは特に2レグのデンソー戦が素晴らしかった。
まさかのストレート勝利。間違いなくベストな1試合でした。
特に全体的にサーブで攻めるところ、高相選手とアコスタ選手の決定力、繋ぎと粘りが2年前と比べると別チームでした。
序盤苦しんだところがあって順位的には9位でしたが、来期は上に行けるのでは、と思わされるシーズンでした。
【10位:ヴィクトリーナ姫路】
レギュラーラウンド勝敗:4勝17敗
V1、2年目とは思えないシーズンでしたね。
特に年明けの久光スプリングスの勝利、あと一歩だったデンソー戦から、岡山戦の勝利、そしてトヨタ車体戦のフルセット勝利。
序盤から貞包選手と、対角に入った新人ながら安定していた松本選手の活躍があり、
後半はアリョーナ選手が起用されず、田中選手が入るようになって、そこから空気が変わったように思います。
またミドルの両選手。NECから移籍した荒谷選手と、新人の佐々木選手が素晴らしかった。
慎重はなくとも機動力と器用さ、うまさがある両選手は苦しい試合を変えるプレイが多かったように思いました。
姫路もPFUと同じく、来期以降上位に組み込む可能性は十分にあると思わされるシーズンでした。
【11位:トヨタ車体クインシーズ】
レギュラーラウンド勝敗:6勝15敗
今期は本当に…どうしてこんなに、と思うほど苦しいシーズンだったと思います。
おそらく荒木選手の最後のシーズン。
内瀬戸選手が上尾に、ネリマン選手がNECに移籍した上、なかなかセッターが固定されない中、
どうにか序盤下部のチームに勝ってきたり、NECレッドロケッツにストレート勝利するなど光が見えそうになっては
欲試合にKUROBEにストレート負けするなど、どうにも乗り切れなかった印象でした。
そんな中、この結果でもブロック賞を取った荒木選手、ほんととんでもない選手だなと思います…
最初にも書きましたが、再度ここにも書きます。
荒木選手のブロック賞、3年ぶり8回目です。素晴らしい。
【12位:KUROBEアクアフェアリーズ】
レギュラーラウンド勝敗:4勝16敗
結果は12位という残念なところではありましたが、途中トヨタ車体や久光スプリングスに勝ったり、
決して悪いシーズンではなかったように思います。
それだけ下位チームが今季すごく良かったということなんでしょう。
正直序盤の調子を見てるとKUROBEだけ上位に食い込むのでは、と思うほどでした。
特にリベロの立石選手、すごくいい選手だと思います。
リー選手はもちろん、両サイドの間橋選手と舛田選手が乗ってるときは勝ち切れる力があるチームだと思うので、来季期待しています。
オリンピックシーズンの代表決定とVカップ開催
2020年のオリンピックが延期され、2021年の代表メンバーが決定しましたね。
この話は別の記事で書きます。
また、Vリーグが終わったあとすぐにVカップという、2グループに分けて1試合対戦し、上位4チームで優勝を決める「Vカップ」という試合が始まっています。
代表選手は3月からは合宿のため出場しないので、Vリーグで見れなかった若手選手の活躍が見れる試合で、こちらも楽しみです。