【日本代表女子バレー】ネーションズリーグ4位、オリンピックメンバー決定

スポーツ(バレー)更新日:2021/07/04
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【日本代表女子バレー】ネーションズリーグ4位、オリンピックメンバー決定

ネーションズリーグ、全試合見ました!
結果は決勝リーグまで進み、4位で終わりました。
ネーションズリーグとオリンピックメンバー決定の感想を書きます。

ネーションズリーグの17名とベストメンバー



まずはネーションズリーグの17名。
毎回この17名の中から14名が選ばれ試合に出ます。
直前の合宿は18名で行われ、その中の東谷 玲衣奈選手(アウトサイドヒッター・デンソー)が外れ、
以下17名で参加しました。(以下選手の敬称略)


セッター

・田代 佳奈美(デンソーエアリービーズ)
・関 菜々巳(東レアローズ)
・籾井 あき(JTマーヴェラス)

アウトサイドヒッター

・黒後 愛(東レアローズ)
・古賀 紗理那(NECレッドロケッツ)
・石井 優希(久光スプリングス)
・石川 真佑(東レアローズ)
・鍋谷 友理枝(デンソーエアリービーズ)
・林 琴奈(JTマーヴェラス)

オポジット

・長岡 望悠(久光スプリングス)

ミドルブロッカー

・島村 春世(NECレッドロケッツ)
・荒木 絵里香(トヨタ車体クインシーズ)
・芥川 愛加(JTマーヴェラス)
・奥村 麻依(デンソーエアリービーズ)
・山田 二千華(NECレッドロケッツ)

リベロ

・小幡 真子(JTマーヴェラス)
・井上 琴絵(デンソーエアリービーズ)

基本的にはスタメンをほぼ固定し、控えメンバーの交代のみが行われました。
ネーションズリーグは選手選考を行うことが多く、各国もベストメンバーというよりはいろんな選手を試しているようなチームが多かった中、
日本はほぼ固定メンバーでした。
理由としてはおそらく、セッターの籾井選手が2年目でオリンピックシーズンに代表初選出というのが大きな理由だったのでは、と思います。
あとは、石川選手もワールドカップしか経験はなく、黒後選手はそのワールドカップが怪我のためほぼ出場機会がなかったこと、
また古賀選手も2019年シーズンはコンディションが上がらずなかなか出場機会がない状況からの2020年のコロナで海外との大会が中止だったため、
選手選考よりも「中心選手の経験をさせるほうが先」という判断だったのではないかと思います。

それにしても長丁場だったのに、変わらなさ過ぎて驚くほどでしたが…

途中アメリカ戦で籾井選手と古賀選手を外し、石川選手も途中交代。
セルビア戦は控えメンバー中心で戦っていましたが、そのほかはほぼ(ミドル以外)は固定でした。

おそらくベストメンバーは決勝2試合にスタメンで出た

レフト:古賀・石川
ライト:黒後
セッター:籾井
ミドル:荒木・島村
リベロ:小幡

という判断だったと思います。


東京オリンピックメンバー



そしてネーションズリーグを経て、オリンピックメンバー12名が決まりました。

セッター

・田代 佳奈美(デンソーエアリービーズ)
・籾井 あき(JTマーヴェラス)

アウトサイドヒッター

・黒後 愛(東レアローズ)
・古賀 紗理那(NECレッドロケッツ)
・石井 優希(久光スプリングス)
・石川 真佑(東レアローズ)
・林 琴奈(JTマーヴェラス)

ミドルブロッカー

・島村 春世(NECレッドロケッツ)
・荒木 絵里香(トヨタ車体クインシーズ)
・奥村 麻依(デンソーエアリービーズ)
・山田 二千華(NECレッドロケッツ)

リベロ

・小幡 真子(JTマーヴェラス)


【セッター】文句なしに正セッターを決定させた大会だった



私は正セッターは田代選手だと思ってました。次いで関選手。
理由は

・籾井選手の実践不足
・アウトサイドの黒後選手と石川選手がほぼ決定→関選手が有利

だと思っていたからです。
関選手の仕上がり次第ですが、おそらく正セッターは田代選手になるのかな?と。

思いっきり裏切られました。笑

でも、籾井選手のトスを見たら納得させられました。
あそこまで乱れたトスを、レフト以外、特にバックライトに持っていけるセッターは他にいないのではないでしょうか。
ネーションズリーグの前に行った中国との親善試合では、なかなかライトの黒後選手と合わせられていなかったのが
ネーションズリーグでは徐々に合わせられていったこと、
またレフト、バックアタック(パイプ)への速い攻撃が古賀選手と合っていたこと。
今まで高さを求めていた石川選手も早いトス打つようになってましたね。

また、1本目が乱れてもぎりぎりまでオーバーで行くこと、そしてパス力があるからちゃんと伸びること。
そんな乱れたパスからでもドリブルがとても少ないこと。
これはJTマーヴェラスの吉原監督も、中田久美監督も言ってることですが、すごい技術だと思います。

2016年のリオシーズンでは、監督が早さを求めて宮下選手は早いトスを上げていましたが、
アタッカー陣が付いて行けてなかった印象が強かったのですが、
今季は特に古賀選手が早く強く、そしてコースの打ち分けという完璧な仕上がりできていて、
これは正セッター決まりだな、と思いました。

そして思った以上に籾井選手が乱れなかったからなんでしょうね、関選手の出番が少なかったですね…

籾井選手の凄いところは今までのセッターに求められていたスキルをほぼ兼ね揃えているところ。

・宮下選手の高さ、速さ。
・佐藤選手や関選手のミドル使い。
・田代選手のパス力。
・冨永選手の2アタック力。

多少課題だなと見ていて思ったのは、ディグ・サーブでしょうか。
その点をカバーするのは田代選手が適任だと思います。

個人的にはディグとサーブがよく、またライトへのトスが上手く、籾井選手よりも早いトスを供給できる宮下選手が残っていたら…と思いました。
特に相手がオポジット中心で攻撃してくるときのライト側のディグが厳しい。
宮下選手なら上げられるだろうと思わされました。

田代選手は安定してて、ディグとサーブが籾井選手よりいいので、交代の出番は関選手より多かったのだと思います。


【アウトサイドヒッター】大復活のエース古賀・大会中にどんどん良くなっていった黒後



アウトサイドヒッターについては、色々思うところがあるんですが、
とにもかくにも古賀選手大復活でしたね。
Vリーグを見ていたらわかっていたことですが、それでも期待以上に格上のブロックに対して健闘していたと思います。
特に2019年はアウトサイドヒッター全体的にブロックシャットが多かったイメージだったので、
古賀選手の速さと打ち分けの能力は世界と戦う最高の武器ですね。

そう言う意味ではNECレッドロケッツのセッター、澤田選手もこの古賀選手の好調に一役買っていますね。

また、サーブ、守備、ブロックもよく、全試合通して最後まで崩れなかったのがすごいところだったなと。
親善試合の中国戦でも、古賀選手のみ3セット通して出場した、間違いなく今のチームの中心選手、かつての木村沙織選手のポジションですね。
決めたいところで決めてくれる。攻守を兼ね揃えた日本のエースです。
中田監督は「黒後のチーム」と言ってますが、間違いなく「古賀のチーム」だと思います。


その黒後選手も、中国戦を見たときには大丈夫かと思いましたが、
ネーションズリーグは良かったですね。
特に守備が途中から意識が変わったのがわかりました。
ブラジルかオランダ?か忘れましたが、徹底的にフェイントでやられたあと、
その後の試合では黒後選手のフェイントへの意識がものすごく上がったのがわかりました。
黒後選手は元々レフトの選手ですし、レフトから打ってる時よりパワーがなくなったかなと思いましたが
その分コントロール力がついて、インナーとスレートの打ち分け、コートいっぱいに落とす技術が上がっていて
得点源になってました。
特に長岡選手が一度もベンチ入りせず、オリンピックも外れてしまったため、
ライトはほぼ黒後選手のみ。
長岡選手が外れたなら鍋谷選手をライトのバックアップに入れるかと思いきや、鍋谷選手も選考外。
林選手が入るのかな?とは思いますが、基本は黒後選手一人でやりきるという計画なんだろうと思います。

また、黒後選手の良さはオポジットではなくアウトサイドヒッターであること。
場面で柔軟にサーブレシーブに入れるので、狙われた選手が上がらなかったらすぐに入れ替わることが出来るのは、すごいメリットだったと感じました。
特に今回は狙われてだめならすぐに入れ替えていたし、狙いの選手がいなくなると一瞬迷うのでいい作戦だと思います。
ライトに回れなくてももともとレフトの選手なので、レフトうちは全く苦にならないところも素晴らしい。

石川選手ももちろん良かったです。
世界の高いブロック相手にどんどん経験してほしい。
とにかく早いトスに対応できるようになってましたね。特にバックアタックは早かった。
課題だと思っていたサーブレシーブ、最初は狙われて崩れると控え選手と変わっていたりしましたが、
その控えでは行った石井選手や林選手が崩されて戻る言うシーンもあったせいか
後半はほぼ交代することなくやっていたせいか、どんどん守備力もついて行ったような…

2段が得意だったはずなんですがやっぱり世界の高さにはシャットされるシーンが多かったので、
乱れた2段トスの処理ができるといいなあと思いました。

林選手は前衛での起用もあって、籾井選手とチームメイトでもあるので攻撃に関しては問題なかったと思います。
ただ、守備力をかわれての起用、新鍋選手の後継者になるかな?と思っていたのですが、この試合ではサーブレシーブが乱れるシーンも多かったなと思いました。
もっと前衛での攻撃も見たかった。

鍋谷選手はさっきも書きましたが、まさか長岡選手が落選でも入らないとは…
勝負強さ、早いトスへの対応、守備力を考えると林選手と甲乙つけがたいところだと思っていたし、
長岡選手が怪我でだめなら二人とも入ると思ってました。
まさかのミドルが4名のため落選…残念です。

石井選手は両レフトの交代メンバーかなと思います。
思った以上に出番が少なく、またチームからのこともあり調子が上がっていないように見えるので、オリンピックまでに復活してほしいなと思います。


【ミドルブロッカー】大復活の島村選手、ベテランの力、荒木選手



ミドルブロッカーが一番交代したし、最後まで選考されていたのかなと思うポジションでした。
見て居た限りでは、

荒木選手、島村選手は決定。
起用の感じを見て芥川選手は難しい。

というところで、ブロックに強いベテランの奥村選手か、
若くて高い、バランスの山田選手のどちらかが残る。

そして起用から見ると山田選手、上手さから見ると奥村選手。今回はあんまり起用されてはいなかったけど、奥村選手かなー山田選手はまだちょっと荒いかなーと思っていたら
まさかの4人決定でした…

アウトサイドの選手がほぼこのまま次のオリンピックも行けるような若手が中心ですし、
ミドルに一人若手が欲しいのはわかりますし、山田選手の今後に期待です。

今大会はとにもかくにもベテラン荒木選手と島村選手の活躍がすごかったですね。
流れを引き戻す荒木選手のキルブロックとサービスエース、
ブロックがきつくて真ん中が使いにくい中ブロードのギリギリラインを攻めて決めきれる島村選手。
オリンピックが1年ズレたことで、年齢的に荒木選手は厳しくなってきたかと思いきや全くそんなことはなく、
その代わりに1年ズレたことで怪我から復帰が間に合った島村選手の大活躍。
オリンピックでも期待してます!

奥村選手は相変わらずすべてのプレーがそつなく「うまいなー」と思わされます。
ミドルとは思えない守備力、繋ぎの巧さ。
山田選手も早い攻撃やブロックは世界に通用してたので、メンバーに残ったからには活躍と成長を期待してます。

選考の中田久美監督の言葉で「長岡のコンディションが上がらなかったため2枚替えも考えてミドル4名」と言っていたので、
もしかして2枚替えでライト打ちをする選手が出てくるのかな?と思ってます。
全員ブロードうちが得意ですし、特に島村選手がスタメンじゃない時には有効ですね。


【リベロ】サーブレシーブの小幡、ディグの井上



元々サーブレシーブの安定感では小幡選手、ディグの能力では井上選手が強みだと思っていたのですがそのままでしたね。
正直甲乙つけがたいところだったと思いますが、
おそらくサーブレシーブを重視して小幡選手になるだろうと思ってました。Vリーグ初のリベロでMVP取ってますしね…

あと、今大会序盤での井上選手が若干不安定だったのも原因としてあったのでしょうか、得意の2段トスが乱れたり、チャンスボールを返してしまったり…
最後のトルコ戦辺りは、小幡選手がなかなか拾えなかったフェイント、井上選手だったら拾えていたかも、と思う場面もあったので本当に難しいのですが、
速いトスを極めるにはサーブレシーブが重要になるのはわかっていたので、そのままになりましたね。

オリンピックも14名にしてリベロ2人入れ替えOKにしてほしい!

【東京オリンピック予選】スケジュールと予想



予選の相手とスケジュールは以下です。

7月25日(日)19:40~ 日本×ケニア
7月27日(火)14:20~ 日本×セルビア
7月29日(木)19:40~ 日本×ブラジル
7月31日(土)19:40~ 日本×韓国
8月2日 (月)19:40~ 日本×ドミニカ共和国

予想としては、3勝2敗、3位上がり。
ポイントはドミニカ戦でしょうか。
ネーションズリーグでもフルセットまでもつれたので、気が抜けない1戦ですね。

個人的にはセルビアが全くメンバーが違ったので、楽しみです。
韓国は双子が復帰?という話もありますが、復帰したとしてもしばらく離れていた選手たち、負けるわけにはいかないですね。

ブラジルは、ネーションズリーグ2試合やっての戦いなので、今度こそフルセット行ってほしい!

日本は上記のAチーム。
Bチームは以下です。

中国、アメリカ、ロシア、イタリア、アルゼンチン、トルコ

予想は、中国、アメリカ、イタリア、トルコ。(予想順位順)
イタリアはワールドカップでも出場がなかったので、個人的に凄く見たいチームです。
エゴヌ選手今どんななんでしょう…リーグでMVPのような情報があったような。

予想通り3位上がりだとアメリカと。
ドミニカに負けて4位だと中国と。

できれば、セルビアに勝って2位で上がりたいですね…


【東京オリンピック予選】体力の心配



ネーションズリーグをほぼスタメンで1か月に渡って試合したことは、チームの完成としては良かったと思いますが、
本番まであと1か月切ってる中、間違いなく疲労がたまってると思います。
正直、ミドルは交代が多かったとはいえ荒木選手をあそこまで使うとは思っていませんでした…
特に、長岡選手が落選となったいま、黒後選手の疲労がとても心配です。
また、古賀選手も今やいなくてはチームが成り立たないくらいの存在。
怪我をしないことを祈り、本番を楽しみにしてます!

【余談】



余談1
ネーションズリーグでは他のチームにはないくらい、監督より相原コーチが映ってましたね。
最後の声掛けも、ほぼ監督が二人いるようで、明らかにそれまでとはチームが変わっていて、相原コーチが参加したことでいい方向に行ったのかなと思ってます。

余談2
ネーションズリーグは若手で挑んだ中国、日本は序盤に当たって勝利を収めましたが、途中からベストメンバーが参戦。
さすがに決勝リーグには届きませんでしたが、そこから全勝、なんと優勝したアメリカに予選でストレート勝ち。
ある意味もう一つの優勝チーム、中国…すごすぎます。